車輪の独り言

書きたいことを無責任に適当に書きます

ネタバレなし Death Stranding クリア後感想

 

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お久しぶりです。しゃりんです。

 

クリアしてテンションがブチ上がってる深夜4時に書いたため、いつもとテイストが違いますが容赦ください。

 

この記事はDeath Strandingのネタバレなしレビューになります。筆者はクリアしていますが、シナリオに関するネタバレは一切ありません。しかしゲームシステムに関する言及は含まれるので、完全に情報なしでやりたいという方はブラウザバック推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小島秀夫監督の独立後初のゲームであるDeath Stranding、自他共に認める小島ファンである私は2016年6月のE3 Game Showで発表されてから今まで、このゲームをプレイするために生きてきたと言っても過言ではない。
このゲームのネタバレを喰らったらおそらく一生後悔すると考えていたので、誰よりも早く終われせるために発売後3日間の予定を完全に開け、デスストウィークエンドとした。そして宣言通り3日で(正確には日付を跨いだので4日で)クリアすることができた。
Death Strandingというゲームを一言で表現することは難しい。登山シミュレータという意見もあれば、橋や国道やジップラインを整備していく建設シミュのようでもあり、それが他人と共有されるソーシャルストランドシステムも素晴らしい、そして小島監督作品の例に漏れずムービーてんこ盛りだ。
だがやはり一言で表すならば”棒と縄”の作品だろう。このThemeはゲームのほぼ全て、随所で見られる。シナリオ、ゲームシステム、アイテム、世界観、これら全てにこのモチーフは用いられている。

 

語りたいことは沢山ある。唯一のゲームシステム、広大で未知な世界観、緻密なシナリオ、素晴らしすぎるデザイン、雄大な背景と音楽、素晴らしいカットシーンの演技と演出、しかし敢えてこのゲームにおいて絶対的に素晴らしいものを絞るなら、ゲームシステムとシナリオだろう。
ゲームシステムの根幹をなすのはソーシャルストランドシステムという、かつてないゲームシステムだ。プレイヤーは伝説の配達人サム・”ポーター”・ブリッジズとなり、崩壊した世界の各地に荷物を運んでいく。道は険しいが、崖や川に橋をかけ道を繋ぐ。それらの建造物は他人と共有され、助け合い、お互いにいいねを送り合う。相手は見えないが、お互いに置いたものや設備だけが共有され、落とし物は拾いあう。これがソーシャルストランドシステムだ。
さながらSNSのようなシステムである。しかし、その本質は全く異なる。SNSにおけるふぁぼ(いいね)は相手への共感を示すものではあるが、時にはそれが目的となることがある。コミュニケーションが歪な形になるのだ。コミュニケーションは自分が思っていることを相手に伝える。しかしそれに共感や興味で評価できるボタンが備わることで相手に意図を伝えるという本来の目的ではなく、いかに面白く、いかにいいねをもらえるか、それこそが絶対的な指針になりうる危険性を秘めている。小島監督SNSにおける誹謗中傷がこのゲームアイデアをもたらしたと言ってたが、それこそその最たるものだろう。
Death Strandingにおけるコミュニケーションは非常に面白い。自分が目的地にたどり着くために置いた梯子やロープ、橋やそのほかの設備が他人と共有されることで、他人からいいね、という評価が届くのだ(これは別にゲーム内通貨と交換できたりするわけではない)。
これは先に例に出したSNSと構造は非常に近いが、最初の目的が異なる。SNSは他人と繋がるために発言を行うのに対して、Death Strandingは自分のために行ったことが評価されるのだ。
こうなると面白い事に、どんどん他人からの評価が欲しくなるから、他人のことを考え始める。どこに置いたら便利だろうか、どんなものを置いたら便利だろうか、自分のためにアイテムを配置するのに、心の中には常に他人がいるのだ。これほどまでにポジティブなコミュニケーション、繋がりは体験したことがなかった。Death Strandingはシステム的に、相手に優しくなれる距離感を取れるようになっている。驚くべきゲームデザインだ。

 

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欲しい場所になかったから架けた橋に、数百ものサムがいいねをくれる

 

シナリオに関しては是非皆さんの目で確かめてもらいたい。監督の過去作と同様に、間違いなく人は選ぶだろう。万人にオススメできるゲームでないことは確かで、特に今作は過去作以上にSF色が強い。だからといってプレイする価値がないというわけではない。2001年宇宙の旅がAvengersより売れていないから駄作というわけでは決してないのと同様に、Death Strandingは人によっては史上最高のゲームになると思う。ただネタバレには気を付けてください本当に。チャット欄とかは絶対に確認しないことをオススメします。

 

最後に簡単にまとめよう。Death Strandingは興味が少しでもある人には是非プレイして頂きたい傑作だ。ただ決して全ての人にこのゲームが認められることはないだろうが、小島秀夫監督は独立一作目にしてとてつもない高い壁を自ら築き上げてしまったことは間違いない。そして何より、この素晴らしいゲームを立ち上げから約4年で作り上げてしまった監督、キャスト、そしてスタッフの皆様には相当な苦労があったと思います。素晴らしいトレーラーを見ながら発売を待ち望んでいた3年半余りのゲームが3日で終わってしまっても、このゲームは心に留まり続けるでしょう。(ボリュームがないんじゃないかという人がいるかもしれませんが、寝食以外はプレイ&睡眠時間もガリガリ削っていたので大丈夫ですよ!)

 

 

そしてまだ買ってない皆さんへ、トレーラーのURLを貼っておきます。

youtu.be

 

これを見て好きそうな方は手に取ってみる価値はあります。

PCユーザーの方は……ネタバレに本当に気を付けて!